2012年06月12日
ミスマッチと名勝負
全仏がようやく終わった。残念ながら男子決勝はこれといった見所もない凡戦だった。試合を見る限りではジョコビッチにはナダル攻略の手立ては何も無かったと思う。昨年あれだけ勝っていた相手に負けるべくして負けたのが本当に不思議。まるで一昨年の状態に戻ってしまったようだ。これで今のナダルに敵はいなくなった。この状態が長く続くとナダルのファン以外には「男子テニスがつまらなくなった。」と言われかねない。時にはサンプラスの様な勝負強いチャンピオンが必要だが、勝敗の行方が混沌として分からないほうが見ている分には楽しいのだ。王者ナダルを脅かす新しいスターの出現に期待したい。
さて今年の全仏で(個人的に)一番記憶に残った試合は、女子の「アザレンカ対シブルコワ」戦だろう。ナンバー1にアップセットするにはこうやるんだ、とこちらに訴えかけてくるような闘志あふれる、それでいて非常に冷静なプレーぶりに心底感動させられた。以前の悔しい敗戦を上手にフィードバックして勝利を掴んだシブルコワに、テニスを通じて「人としてのあるべき姿勢」を見た気がする。当たり前だが、やはりテニスは勝ち負けだけでは終わらない素晴らしいスポーツなのだ。
ただ、全仏で困るのはいまだにセンターコートに屋根がないせいで、昔ながらの「雨による中断」が入る事だ。億単位の人がテレビを見ているのだから、5年先なんて言ってないですぐに工事を始めたらいいのに。
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