2012年05月31日
WOWOWに足りないもの
前にGAORAの事を書いたので、今回はWOWOWの番だ。今のWOWOWに足りないのは副音声である。なぜかといえば、日本語だけの実況、解説がつまらないからが理由だ。(例:タイブレークの度にルールの説明は要らないだろうし、いいかげんウンザリもする)ウインブルドンはいつもNHKで見るのも英語の音声があるからで、この点はいつまでたっても改善されないみたいだが、すぐに思い浮かぶのはやはりお金の問題だろう。女子ゴルフ中継やボクシングなどにも副音声がないのも同じ理由からで、要するにムダな出費をセーブしたいのが本音だろうが、音のオプションがない=とてもつまらない放送だと個人的には言いたい。副音声といっても会場音だけでもいいのだから、面倒がらずにぜひ検討してほしい。いま時分ペイチャンネルで副音声がないなんて、時代遅れも甚だしい。おかげで試合直後の選手インタビューがいつもないのでなんとも印象がうすい放送になっているし、ドケチなスポーツ中継なんてこれからも流行らないゾウ。
2012年05月30日
変わらないものと変えてゆくもの
全仏が開幕した。WOWOWで第1試合のがらんとしたセンターコートの客席を見ると、ああ例年どおり始まったな、と実感する。しかしこれからの2週間は結果はわかってもそのプロセスは共有できない。何事も試合を見なければ始まらないのはいつもと同じだ。
タダのテレビがフォローしないスポーツが影響力を持たないのは当然で、残念ながらテニスも当てはまる。日本人が活躍できるスポーツしか取り上げないのはテレビ側の勝手な都合だが、見られる人とそうでない人の格差は埋めるべきだ。
そこでブレイクスルーになるのが大相撲でもやっているダイジェスト放送である。WOWOWのナビはたった5分なので役に立たないが、これを1時間枠にするのだ。全豪やウインブルドンには実際にそういった番組がある(もちろん国外のテレビ制作)し、出来ない事はない。どうせダイジェストなんてたいした事はないと思うだろうが、意外にそうでもない。「試合の勝負どころ」が見られれば試合全部を見なくても十分見た気になるのだから。
ものは試しですぐにやってみよう。ただ、この姿勢が1番欠けているのが日本のテレビなんだけど。
2012年05月25日
魔法の電話
その昔GAORAにこう電話した。「2週間遅れのWTAツアーなんか誰も見ないよ。それよりライブにした方が儲かるんじゃないの。」何年か後に番組表を見ると確かにライブに変わっていた。次はWOWOWに「全米なんだけど、どうせ同じ時間帯にやるんなら1日遅れのディレイじゃなくてライブにしたらいいじゃん。」これも何年かしてから実現した。「全仏の10時から0時までの休みは要らないよね。」「全豪のデイセッションとナイトセッションの間も試合が進行してるんだから続けてやれば。」あら不思議。電話してから何年か経つと言った事がどんどん叶っていく。そう、既存のシステムなんて変えようと思えばいくらでも変えられるのだ。
WOWOWが全仏の初日をタダにしてくれるのはうれしい限りだが、どうせなら最後の2日の方がいいに決まっている。ペイチャンネルとしてのメンツもあるが、ここは全てのテニスファンの為に大英断を期待するのは間違いだろうか。
2012年05月24日
得たものと失ったもの
いよいよ全仏が迫って来た。WOWOWで初日の試合だけは見られるのでわくわくしている。ただ、現在と地上波でも放送があった以前とどちらがいい状況だろうか?
たしかに今の方がライブはぐんと増えた。画質もハイビジョンのワイド画面になり、音の臨場感も素晴らしい。対戦結果などの細かい情報はネットでもすぐに探し出せるし、いい事ずくめにも思える。しかしそれはお金を払った人だけで、誰もがそれを享受するわけではない。「テニスを見る事」のハードルが上がったともいえそうだ。
で、問題はテニスというスポーツがタダで見られなくなり、影響力が下がる(カンタンにいえば関心が無くなる)点にある。いわばどうでもいいスポーツになってしまうのだ。これを防ぐためにアメリカでは主要な大会の決勝は地上波の局が(NBCが全仏とウインブルドン、CBSが全米)を昔と変わらずに放送し続けている。
さて結論だが、地上波がだめならBSでもいいから4大大会とツアーファイナルの決勝くらいはやってほしい。それでもある程度は納得はできるのだ。
2012年05月22日
金メダルの価値
全仏とウインブルドンが終わるとロンドンオリンピックがあるが、プロのテニス選手にとってオリンピックの金メダルはどのくらいの価値があるのだろう。
永らく正式種目から外れていた硬式テニスが復帰したのは88年のソウル五輪からだ。その年に年間グランドスラムを達成したグラフが金メダルも取りゴールデンスラムと呼ばれたが、グラフがプロとして評価されるのは4大大会で20回を超える優勝をしているからで、金メダリストだから、では決して、ない。カプリアティやエナン、ビーナスもそうだ。 事実、北京五輪の金メダリストのデメンティエバはいい選手だったが、グランドスラムは無冠のせいで過小評価されたし、アテネの男子金メダリスト、マスーはチリでは英雄になったがその後名前を聞かなくなった。
やはりプロはツアーで勝ってなんぼの存在で五輪はエキシビションに過ぎないのだ。ただし、この国では事情が違うのかも知れない。マイナー球技を返上したい日本のテニス協会にとってオリンピックで勝つことが至上命題なのはいうまでもない。もう一度ウインブルドンで行われる世界一有名なエキシビション大会で日の丸は揚がるだろうか。
2012年05月22日
テニス中継とこの国のテレビの特殊な事情
もうすぐ全仏が開幕というのに、その話題には触れられずサッカーの国際大会や最終予選の話ばかりだ。日本代表が強くなったのは認めるが、こうもサッカーばかりが取り上げられるのは、定時に試合が終了するためにテレビ側の編成時間枠が決めやすいからだろう。時間枠が決めづらいテニスのようなスポーツは地上波から締め出され、現在のように3大会(ウインブルドン、東レPPO、全日本)だけの放送になった。
時間枠以外には日本人選手の活躍が前提にないと、取り上げてもらえない。この点も(錦織やクルム伊達がいるが)テニスはまだまだ弱い。
ただ可能性はある。全豪の「錦織対マレー」戦をNHKが初めてライブ中継したように、大きな大会での活躍があれば状況が一変することもあり得る。ロンドンオリンピックでのメダル獲得はプロとしての評価にはさほど影響しなくても、日本のテレビにはインパクトを与え、テニスへの見方を変えるかも知れない。海外のようにメジャースポーツとして扱ってもらうきっかけの一つになってもらいたい。
2012年05月21日
誰のためのテニス中継か
私はWOWOWもGAORAも見ていないのでそう思うのかも知れませんが、やはりこの国の現状(地上波で4大大会が見られるのはウインブルドンだけ)は異常ではないでしょうか?テレビ局が興味がないとか、日本人が活躍するとか、しないとかでそのスポーツの扱いが変わるのはおかしな話でそもそもテニスに関心のないひとにも見てもらう機会をつくるのがマトモな放送局の姿勢ではないでしょうか。地上波が無理ならBSで、全仏や全米の決勝を(録画でも)無料で放送するのは十分意味があるはずです。
2012年05月21日
ライブ中継は質より量
GAORAはライブが少ないな、といつも思っている。米国のテニスチャンネルと比べると(ATPマスターズ1000シリーズ)1大会あたり40~50時間も差がある。これじゃ日本のテニスファンがかわいそうだ。どんなに録画の放送をふやしても見ている方は反応がうすい。時間の許す限りライブを見ていたいのが本音であって、それに応えるのが専門チャンネルの使命なのだが、現状はそうなっていない。まあライブを増やしたせいでGAORAがつぶれては困るが、かといってこの格差がそのままでは絶対にダメだ。個人的な意見だが、いっその事テニス専門チャンネルにしたほうが儲かりそうな気がする。どのスポーツ専門チャンネルも生中継を増やせば余計に金がかかるジレンマを抱えながら放送を続けているのだが、視聴者のニーズに合わせなければペイチャンネルはやっていけない。タダの地上波とは違うオプションを常に用意しないとすぐ飽きられる。とりあえずはQFから完全ライブを実施してみてはどうだろうか。