2012年06月26日
幸せと不幸の間で
ウインブルドンが開幕した。まだ1日目なのに優勝経験者のビーナスやベルディヒ、ヤンコビッチらが消えるのを見ると、つくづく層が厚いスポーツだと感じさせられる。これから約2週間はいつもより少しだけ幸せな日々が続くわけだが、本来なら他の3大会もこうするべきなのだ。お金や自分達のエゴといった下らない理由でテニスを見限ってしまった(バカな)日本のテレビの弊害で、たくさんの人がテニスの面白さを知らないで過ごしている。(私個人の意見だが)オリンピックからも外されるような、時代遅れのマイナー球技は要らない。そんな素材を買う余裕があるなら、4大大会の準決勝と決勝ぐらいはタダでライブ放送できるだろう。
さて今回は、この国のテレビのスポーツ中継の仕方を見てみよう。これはどんなスポーツ中継にもよく見られるお決まりのパターンで、日本のテレビが何を見せたいかが端的に分かる。(それでも一応分かりやすくするのに、順番とテニスにおける取り上げ方を着けておく。)
1、まず彼らが1番に求めるのは日本人選手の活躍だ。まあ、これは日本以外の国でも同じなので無理もない。(錦織がウインブルドンで優勝してくれれば最高だろう。)2、日本勢が消えると次は本命の優勝候補に話題が移る。(ナンバー1のジョコビッチやナダル、フェデラーなどだ。)3、アップセット続きで2も仮に消えたとすると、後は(優勝経験のあるシード勢、ついで優勝経験のないシード勢)が候補に挙がる。4、それもいなくなると、無理やり(期待の若手、頑張るベテラン勢)で話題をつなぎ、5、最後は自分達にとって最悪の言い回し(本命なき大混戦)に至る。これが一連のパターンだ。優勝争いがメインなのは仕方ないが、勝ち負けの結果を伝えるだけではダメで、常に選手のインタビューを入れて内容を濃くしたりする工夫がまだまだ足りない。また個人的には、5が日本のテレビがマトモなスポーツ中継ができる状態だと思う。彼らの過剰な思い入れの対象が無くなった時にようやく安心して見られるのだ。
今の日本でもし、ESPNやユーロスポーツが(現地と同じ内容で)見られたなら、もっとテニスの楽しさが分かってもらえる筈なのに、そうでないのが大変残念だ。4大大会を(タダで)テレビ放送するのが、たいへん有意義で幸せな事だと何故分からないのだろう。アニメの「エースをねらえ」で藤堂さんも言っていた「テニスは素晴らしい。テニスを辞めるなよ。」は真実なのだ。そして日本のテレビに1番欠けているのは、「LOVE TENNIS」そのものだ。