2012年06月10日
ファイナル・ディスティネーション
シャラポワが初優勝した。ある程度予想はしていたが、ここぞという勝負所のポイントを時間がかかっても取りきる事に徹したのが勝因だろう。試合に負けたエラーニの涙を見ると、やはり全仏のタイトルはどのプレイヤーにとっても特別な思い入れがあるようだ。トロフィーのプレゼンターだったセレシュやちょこっと顔が映ったサンチェスやクエルテン、ほかの試合を観戦していたピアース、レンドルもみんな歴代の優勝者だが、もし決勝で負けていたらこの場所には来ていないのかもしれない。ああ、解説者のマッケンローは別だけど。
一方の男子はナダルとジョコビッチのここ4回連続の同一カードになったが、グランドスラム決勝ではこういった例が非常に多い。80年代から90年代にかけて、ウインブルドンではベッカーとエドバーグの3年連続の対戦や、それこそファイナル常連のグラフはライバル視されたセレシュやサンチェスと何度も名勝負を繰り広げた。まあ大抵はランキング1位と2位の本命対決なので、試合内容は保障されたようなものだが、セレナとビーナスの姉妹対決は(勝ち負けは)「どっちでもいいや」感があって全然盛り上がらなかったし、エナンとクリスタースのベルギー対決も先輩相手のクリスタースがとてもやりずらそうだったのを憶えている。
さてその決勝の行方だが、最初の2セットで決まるといってよい。ジョコビッチがこれを取れるかどうかにかかっている。それができない為にフェデラーはナダルに負け続けているのだから。ただ、テレビのインタビューに答えるジョコビッチには何か余裕が感じられた。ローランギャロスではほぼ無敵のクレーキング相手に、生涯グランドスラムのかかった大一番に用意したとっておきの秘策があるのか、今から試合が楽しみだ。
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