2012年06月13日
どこへいったマルチ放送
地デジになってもうすぐ1年になろうというのに、民放キー局は未だにマルチ放送をする気配もない。あれほど「こんなに便利な機能がありますよ。」と言っていたのにいったいどういう事だろう。
先日まで放送されていた「バレーボール世界最終予選」がライブだったのは、テレビ側が試合開始時刻を遅らせたからに違いない。理由は簡単、マルチ放送をしたくないからだ。いつもどおりの18時30分に試合が始まり、仮にマルチ放送をしたとすると、メインチャンネルのニュースが一斉にサブチャンネルのバレー中継に切り替えられてしまう。同じチャンネルを見ているのは変わらないのだが、どうもそれでは具合が悪いらしい。しかし、見たい番組を選ぶ権利は視聴者の方にあり、局の都合で開始時刻を変えられたバレーボールの協会側も困惑しているのではないか。
いつまで経っても、アナログ時代に身についた古臭いやり方を押し通そうとするキー局にはうんざりさせられる。やれCMが問題だ、などともっともらしい言い訳をいつも持ち出すが、本音は面倒くさいだけだろう。録画なら勝手に編集して1時間半で終わるゴルフ中継も、ライブとなれば最低でも2時間半はかかる。もしプレーオフになれば3時間オーバーも十分有り得るだけに、「同じ給料じゃやってられません。」と言われそうだ。だが、それでは巨額の費用をかけてデジタル化した意味がない。正に「宝の持ち腐れ」とはこの事で、画がハイビジョンになっても録画のスポーツ中継が面白くないのは変わらない。いいかげん先延ばしはやめることだ。
新しい事を始める時は恐怖と痛みが伴う。ただ、それも最初のうちだけで、慣れれば「どうしてもっと早くやらなかったのか。」と思うようになる。自分たちが最低限出来ることさえやろうともしない、この国の民放キー局の編成担当者は「正真正銘のぐーたらチキン」ばかりだ。