2012年12月31日
テニスとプライド
今日はホップマン杯の「仏対スペイン」戦をシングルスだけストリーム中継で見た。ハイビジョンテレビに比べれば画も音も貧弱だが、この国のくだらない番組を見るよりはずっといい。頻繁に画が止まり、アド(広告)にも邪魔されるのでテニスを楽しむとは言い難いものの、パースで行われている試合を見られればまあいい方だろう。ただ、こういう状況を作ってしまったこの国のテレビ関係者には、怒りを通り越して諦めの感情しかでてこない。自らの手で、テニスという素晴らしいスポーツを排除してしまったのがどれほどの大罪なのか全く分かっていないのだろう。自分達に都合のいい(定時に終わるサッカーなどの)スポーツだけを取り上げ、都合の悪い(お金と時間がかかり、日本人が活躍できない)スポーツを締め出して格差をつける(関心を下げる)事は、明らかに意図した情報操作なのだ。だから絶対に洗脳されてはいけない。オリンピックでメダルを取った卓球やバドミントンの放送がライブになり、いくらかマシになったと言ってもそれはNHKに限った事で、民放は依然として何も変わってはいない。フィギュアスケートやゴルフの中継も録画ばかりだ。全く実施されそうもないマルチ放送を見ても、彼らが変化を求めないクズばかりなのは確かだ。
唯一、テニスファンができる抵抗はテニスの試合を見る事だけだろう。WOWOWやGAORA、ストリーム中継でもいい。こんなにひどい状況でも、決して迎合せずに抗って欲しい。むしろそうすることで、テニスファンとしての誇りを保っていけると現在は信じている。たとえ100万の他人が「イエス」と言っても、自分だけは「ノー」と言える信条だけは持っていたいものだ。
2012年12月29日
テニスと休日
もう今年もあと数日で終わりだが、今日から男女混合の国別対抗戦「ホップマン杯」が始まっている。当然ながらこの大会をフォローする日本のテレビは全くないのだが、非常にもったいない話である。そもそもテニスという人気スポーツがこの国で著しく過小評価されている(4大大会の決勝もタダで見られるのはウインブルドンだけ)のは、昔からよく言われる日本人選手の活躍うんぬんというより、大抵の人が休みの日にテレビで見られないことに原因があると思っている。年明けに行われるサッカー天皇杯決勝や箱根駅伝がことさら注目されるのも、ほぼ全国的な連休中にテレビやラジオでライブ中継されるからだろう。そう考えるとテニスの4大大会の日程が、この国の大型連休からことごとく外れているのがよく分かる。全豪が始まるのは学校の冬休みが終わってからだし、全仏はゴールデンウイークのずっと後、ウインブルドンと全米もちょうど夏休みの前後なのだから、これではテニスを見ない人(特に若い世代)には全くアピールできない。最も注目されていいプロスポーツが高校生や大学生のスポーツにも劣るように見られてしまうのは、(これまでさんざん言ってきた)この国のテレビ局の勝手な偏見(日本人が活躍できるスポーツしか取り上げない)とテニスの大きな大会がうまく連休の日にかみ合わないという2つの要素が絡んでいる。これを少しでも解消するには、WOWOWやGAORAが連休中にやっている大会をちゃんとフォローすればいいのだが、お金(放映権料)や(それ以前の)やる気の問題もあるのでそう単純ではない。
正月休みに好きなテニス中継を見たいだけのに、それすらも叶わないなんてホントにがっかりだ。「正真正銘のテニス後進国」は早く返上してもらいたい。
2012年12月03日
有利と不利
ガンバ大阪がJ2に降格した。勝負事に絶対はない、のは分かっていたつもりだが、こうして現実を突きつけられるとただただ驚かされる。降格圏内にいたチームが一様に勝ちを望んだにも関わらず、見事残留を決めたのは1番不利な状況の新潟だったのが象徴的だ。ここで私が気になったのは、試合前の状況の良し悪しがその後の試合結果に大きな影響をもたらしたことだ。この最終節前に行われたJ1昇格プレーオフでもJ2の最終成績6位の大分が昇格を決めた。準決勝と決勝で上位にいたチームが全て破れた結果そうなったのだが、上位チームに与えられたアドバンテージ(引き分けでも勝利)が仇になった。やはり勝たなければならないシチュエーションと、引き分けでもOKでは試合の臨み方で違いが出るのは当然だろう。特に決勝で、再三のゴールチャンスを逃し続けた千葉と、ワンチャンスを確実にものにした大分にその差がハッキリと現われていた。肝心要の大一番では勝負への執着心が勝敗を分ける。選択肢が多いのが必ずしも有利とは言えず、むしろその逆になるケースも多い。不安材料もなく絶好調な時ほど結果が出ないのも、マラソンなどでよくあるパターンだ。ただ、勝ちへの意欲があまり強すぎると空回りする事も有り、気持ちの入れ加減が難しい。「勝つと思うな、思えば負けよ」そんな歌詞の歌が昔あったが、確かにそうかも知れない。
英プレミアリーグのマンチェスター・シティーの優勝もそうだが、人間の精神力は時として奇跡を起こせるぐらい強靭で素晴らしいものだ。だからこそ、メンタルの重要性を侮ってはいけないと思う。