2012年07月03日
夢の途中
「あっざりーん。」「はーい。ウインブルドンクオーターファイナルはっじまるよー。」唐突だが「ゆるゆり」というテレビ東京でやっている人気アニメの第2期が放送開始したので、それのプロローグ風に始めてみた。(決して、アザレンカの存在感が薄いわけではない。)いよいよウインブルドンも男女共にあと7試合づつになった。ここまで来れば優勝したいのはだれもが同じだが、メジャータイトルというのは(大抵は)優勝経験者に転がりやすい。ウインブルドンも例外ではなく、ナブラチロワやグラフ、サンプラスといった、誰もが認める大本命が獲得するのが通例だ。その一方で決勝まで進みながら、1度もタイトルに手が届かなかったレンドルやセレシュ、エナンなどの名選手もいるのが不思議なくらいだ。クライチェクやマルチネスなどのそれが最初で最後の場合もあるにはあるが、レアケースといっていい。だが、決勝の常連が(予定調和に)勝っても個人的にはちっとも面白くない。ここは初優勝がかかる選手を押したくなる。セリーナとクビトバは除くと、残りはアザレンカ、ラドバンスカ、カーバー、レシツキ、キリレンコのシード順になるが、やはりイチオシはノーシードのパスゼックだ。ウォズニアッキにアップセットしたのは単なるまぐれではない。彼女の勝負強さは本物だ。昨年もベスト8には入っているので相性はいいのだろう。ただ、ここからが勝負所だ。どんなに実力があってもタイトルを取らないと本当の意味で評価されないのがこの世界の常識なので、今回のチャンスを十分に生かしてほしい。勿論アザレンカを倒すのはとても大変なのだが、やって出来ない事はない。アンダードッグにはアンダードッグなりの戦い方があるはずだ。パスゼックの最大の武器である、テクニックを超えるメンタルの強靭さが「2度目のアップセット」にも必要だ。
「実力のあるいい選手」でキャリアを終えるのも悪くはないだろうが、1つくらいはメジャータイトルがあったほうがいいに決まっている。4度目の正直でワイルドカードから優勝したイバニセビッチや、最初の決勝から5年かかって夢を叶えたノボトナのように、歴史に自分の名を刻むのもいいものだ。ひさびさの「ノーシードからの優勝」をライブで見てみたい。度胸と愛嬌を兼ね備えたパスゼックに、気まぐれなウインブルドンの女神は微笑むのだろうか。
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