2012年07月16日
腐ったオリンピック
日本人は4年に1度のオリンピックが好きらしいが、私はひどく懐疑的である。それと言うのも五輪を続けている理由が莫大な放映権料(つまり金儲け)の為だからだ。76年のモントリオールで初めて収支が赤字になり、80年のモスクワでは西側のボイコットに揺れた五輪は存続のためにスポンサー制度を84年のロサンゼルスから導入した。これで赤字になる心配は一応は解消した。次のてこ入れはプロ選手参加の容認だった。競技レベルを上げるため、なんてわざとらしい言い分けをしたが本音は有名な選手に出場してもらい、大会のPRと放映権のセール拡大と放映権料の吊り上げの3つを狙ったのは見え見えである。これにより、「アマチュア精神の尊重」とか「参加する事に意義がある」といった五輪本来の目的は事実上無くなった。やはり始めてから100年も経過するといろいろな意味で中身が変容するのだろう。企業スポンサーが付いて、プロ選手が出たら普通の大会となんら変わらない。参加する国の数がやたら多いだけである。日本人が好きな?マイナー球技2つが正式種目から外されたのも放映権が売れないせいだし、代わりに人気のあるゴルフを入れたのも放映権が売れそうだから、が理由だろう。もちろんテニスが種目に入っているのも面倒な予選が無いのも、みんなフェデラーやジョコビッチなどのスター選手に出てもらい、シケた五輪の話題づくりと(最終的には)たくさんの放映権料を稼いでもらうためだ。
たかが2週間強のオリンピック1大会につき10億ドル(以前は約1000億円、現在は約800億円)以上も支払う(アメリカのNBCみたいな)マヌケなテレビ局の気が知れない。テニスの4大大会のほうがよっぽどマシではないか。
もうお金の絡まないスポーツ大会など皆無だ。「オリンピックは特別な大会。」などと言う選手がいるが、自分のアイデンティティ(存在理由)を誇示したいだけだろう。どこかの知事さんが五輪を招致するのに躍起になっているのが心配だ。すでに300億円もムダにしたのに、また150億円もドブに捨てるのだろうか。もはや金儲けの事だけしか考えていないダメダメなIOC(国際オリンピック委員会)に払う必要など1円もないだろう。