2012年07月14日
タダテレビの大罪
暑くて憂鬱なシーズンの始まりである。プロだけでは飽き足らず、わざわざ高校生の地方大会を含めて連日朝から晩まで(オリンピックにも無いような)どマイナー球技をタダのテレビで延々垂れ流すのだから、嫌いな人には大迷惑だ。なぜ日本のテレビがこんな事をするのか、と言えば自分達のつまらないスポーツ観を半ば強引に押し付けるためだ。まじめにやっているのが発祥国のアメリカとこの国ぐらいのどマイナー球技をメジャー球技に見せかける為の洗脳といっていい。だから、極力見ない。この国ではマイナー球技扱いのテニスやバドミントン、ハンドボールなどの面白いスポーツが幾らでもあるのに、それにすら気付かないように(周到に)マインド・コントロールされてしまうからだ。個人のスポーツの好き嫌いをテレビ側が勝手に決めようとするのだから、相当ふざけた話である。彼らが勝手に決めた優先順位のスポーツしか見せないのは傲慢以外の何ものでもない。おかしなシステムにはそれがマトモになるまでクレームし続けるのが大切だ。前にも取り上げたマルチ放送ですら未だにキー局では実現していない。(NHK以外で実施したのはMXやテレ玉などの元U局だけである。)
タダよりコワイものはない。知らず知らずの内に貴方のスポーツ観(だけとは限らず自身の価値観にまで)多大の影響を受けているのだ。結果を出さないと何も認めて貰えない「効力主義」というのもその1つだろう。スポーツを始めた理由はそれぞれなのにも関わらず、いつの間にか目標が金メダルを取る事だけにすり替わってしまう。長い競技生活のうちのほんの一瞬でしかないオリンピックでの活躍しか頭にないとしたら、(または)それ自体が本意でないとしたら、本当にその選手にとって幸せな事なのか、といつも思ってしまう。(暗にそれを強いる日本のテレビのエゴにもうんざりだ。)五輪をステップにしてマイナースポーツをメジャーにしたい気持は分かるが、それは競技団体の都合であって個々の選手には関係ない事だ。
スポーツ中継を見るのは本来楽しい事なのに、テレビ側の勝手な思い込みのおかげで大抵はつまらなくなってしまう。もう少ししたら地上波のスポーツ中継なんて誰からも相手にされなくなってしまうのではないか。余計な事はしないでシンプルにスポーツの面白さを伝えるのが、この国のタダテレビにできる唯一の贖罪だろう。まあ、それができればこんな事も書かないで済むはずなんだけど。