2012年07月13日
キロクヨク
人間には食欲や睡眠欲といった本能的欲求に近い「記録欲」があると思う。「大事なものを自分や他人の為に残したい欲求」である。人類の創世記から、ありとあらゆる媒体での記録が容易になった現在でもそれは変わらない。ウインブルドンのオフィシャルフィルムを毎年つくるのはその為で、マレーが74年ぶりに決勝に出た事をちゃんと記録しておくのだ。そして、それは個人でも驚くほどカンタンに出来る。配信サービスなんて便利なものもあるが、自分の大事な記憶の整理は自分自身でするものだ。他人任せではいけない。
昨日ブルーレイレコーダーを買った。チューナーが1コだと何かと不便なのでダブルの1番安いのを選んだがやっぱり新品はいい。VHSビデオの頃には難しかった長時間録画と大量保存を一気にクリアしたこのニューマシーンでエアチェックすべき対象は何か?それはもちろんテニス中継である。これほどピッタリのセッティングも他にないだろう。先日終了したウインブルドンも1日に約9~11時間ぐらいは中継できるのだから、まずハードディスクでないとフォローできない。テニスファンにはマストなアイテムともいえそうだ。
そう考えてみればテニスは時間がかかるスポーツだ。1セットがタイブレークまでいくと約1時間かかり、仮に3セットなら3時間近くかかる計算になる。それが何試合もあるのだから日本のテレビにテニスが嫌われ、サッカーばかりになるのが分かる気がする。しかし、それは時間枠やお金のことしか考えないこの国のテレビの浅はかさで、テニス程テレビ向きのスポーツはないと思う。テレビカメラで全景を捉える事さえ大変なサッカーのフィールドに比べればテニスコート1面なんて狭いものだし、各ホールごとにカメラが要るゴルフよりずっと中継しやすい。寒い季節にはインドアの試合もできるし、ちょっとばかり金はかかるがチャレンジシステムはスリリングで面白い。それに4大大会のメインコートなら複数のカメラで2、3時間は試合をライブ中継するのだから、マイナーな選手からすれば文字通り(演劇の)スター扱いである。シャラポワの様にルックスがある女子選手がアピールする場としても最高だろう。何よりテニス会場の雰囲気がいい。サポーターどうしが(時には)トラブルになるサッカーに比べても、とてもナイスな人達に思える。こう見ただけでもテニスが魅力十分のスポーツなのに、わざわざ見る機会を少なくしたのが理解に苦しむ。今からでも遅くない。テニスを再評価して少なくともメジャー大会とツアーファイナルのセミとファイナルぐらいはタダで放送すべきだろう。
ようやくテニス中継をマトモにフォローできるハードができたというのに、肝心の番組がないのがなんとも寂しい。ああ、そういえばビーキャスカードにはWOWOWとスカパーe2の無料体験が付いていたっけ。早速全米とATPツアー
ファイナルを見てみよう。パソコンのシケた画面よりはずっとマシなはずだ。