2012年07月19日
二流国の証
昼から錦織の試合を見た。2セット目のマッチポイントを取り損ね3セットまでもつれたがなんとか勝った。問題はこういった小さな大会を日本のテレビが大してフォローしない事だ。なぜだか分かるだろうか。あまり見る頻度を増やすとテニス人気が定着するからだ。それまで「どうでもいいスポーツ」だったものが「絶対マストのスポーツ」に変わるのである。それがペイチャンネルならまだいいが、もしタダのテレビで俄かテニスファンが急増したら一大事だ。ほとんどの素材(番組)を欧米から買うはめになったら、日本の安い学生スポーツなどでごまかしているテレビ局はお手上げだろう。沢山あるテレビガイド誌がこぞって「今月要チェックのテニス大会を総力特集!」などの記事を組み、しまいには正月休みに「箱根駅伝より(ATP)カタールオープンとか(ITF)ホップマン杯がライブで見たいよねー。」なんて事になったら非常に面白い事態ではあるが。多分、そうしたくない意図があって地上波がテニスを取り上げないのだろう。ただ、1年は52週あり、シーズンオフの12月の4週を除いて48週、それから4大大会の8週を引いても残り40週はあるのにそのうちの何週ぐらいが見られるのだろうか。テニスがこの国でメジャースポーツになるには、もっとたくさんの試合がテレビで見られるようにならないとダメだ。パソコンでのストリーム中継はテレビでは見られない状況での最後の手段であって、それが本意ではない。面倒なアド(広告)を消したり、しょっちゅう画面が止まるのはもううんざりだ。アメリカの「ザ・テニスチャンネル」みたいなテニスファンの為だけのプログラムがとても見たい。
もう万人向けのスポーツなんて要らない時代なのに、いつまでもそんなものにしがみ付いている日本のテレビが大バカに思える。それでも彼らがあのマイナー球技の放送を止めないのは、自分たちがさんざん重要視してきたものが全否定されるのを恐れているからだ。「世界でも稀にみるマイナー球技」を長年崇め奉ってきたのだから仕方がないだろう。しかし、自分達の間違いに気付いたのなら即刻改めるべきだ。日本人の活躍でしかスポーツを見ないのはもはや時代遅れで非常につまらない事だと今の状況がハッキリと証明している。きっと現在のテレビの編成担当者も子供の頃からつまらないスポーツばかり見て育ったのだろう。その悪い習慣のおかげですぐには自分のスポーツ観は変えられないのだ。
とかくトレンドを創ったりするのは得意な日本人も、ことスポーツ中継に関しては全然ダメである。スポーツ(とりわけテニス)が「かけがえのない素晴らしいもの」になるにはまだまだ時間がかかりそうだ。
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