2012年05月22日
金メダルの価値
全仏とウインブルドンが終わるとロンドンオリンピックがあるが、プロのテニス選手にとってオリンピックの金メダルはどのくらいの価値があるのだろう。
永らく正式種目から外れていた硬式テニスが復帰したのは88年のソウル五輪からだ。その年に年間グランドスラムを達成したグラフが金メダルも取りゴールデンスラムと呼ばれたが、グラフがプロとして評価されるのは4大大会で20回を超える優勝をしているからで、金メダリストだから、では決して、ない。カプリアティやエナン、ビーナスもそうだ。 事実、北京五輪の金メダリストのデメンティエバはいい選手だったが、グランドスラムは無冠のせいで過小評価されたし、アテネの男子金メダリスト、マスーはチリでは英雄になったがその後名前を聞かなくなった。
やはりプロはツアーで勝ってなんぼの存在で五輪はエキシビションに過ぎないのだ。ただし、この国では事情が違うのかも知れない。マイナー球技を返上したい日本のテニス協会にとってオリンピックで勝つことが至上命題なのはいうまでもない。もう一度ウインブルドンで行われる世界一有名なエキシビション大会で日の丸は揚がるだろうか。
2012年05月22日
テニス中継とこの国のテレビの特殊な事情
もうすぐ全仏が開幕というのに、その話題には触れられずサッカーの国際大会や最終予選の話ばかりだ。日本代表が強くなったのは認めるが、こうもサッカーばかりが取り上げられるのは、定時に試合が終了するためにテレビ側の編成時間枠が決めやすいからだろう。時間枠が決めづらいテニスのようなスポーツは地上波から締め出され、現在のように3大会(ウインブルドン、東レPPO、全日本)だけの放送になった。
時間枠以外には日本人選手の活躍が前提にないと、取り上げてもらえない。この点も(錦織やクルム伊達がいるが)テニスはまだまだ弱い。
ただ可能性はある。全豪の「錦織対マレー」戦をNHKが初めてライブ中継したように、大きな大会での活躍があれば状況が一変することもあり得る。ロンドンオリンピックでのメダル獲得はプロとしての評価にはさほど影響しなくても、日本のテレビにはインパクトを与え、テニスへの見方を変えるかも知れない。海外のようにメジャースポーツとして扱ってもらうきっかけの一つになってもらいたい。