2013年06月22日
ナダル攻略法
今年のウインブルドンの焦点は誰がナダルを(女子ならセリーナを)倒すかだろう。昨年のロソルのようにアップセットする事は可能かを勝手に検証してみよう。もちろん彼がカウンターテニスだと仮定した上でだ。
1、持久戦は不利? 全仏決勝を見ても分かるようにナダルは非常にタフだ。5セットマッチで彼を屈服させるのはナンバー1のジョコビッチでもかなり難しい。長時間の試合による肉体的、あるいは精神的疲労で対戦相手にミスをさせるカウンターテニスの狙いからもこの作戦は取りづらい。やはり単純にサーブでエースを取り、ラリーも3球目、5球目攻撃などでなるべく時間を長びかせない省エネテニスがベターだ。ナダルと絡んでは自分が疲れるだけである。
2、狙いをハッキリさせない フェデラーがナダル攻略に失敗したのは、ウィナーとつなぎの球の判別がしやすいからだろう。フェデラーのウィナーを打つタイミングさえ分かれば、ナダルが切り返すのは容易だからだ。しかもフェデラーが使いたがる低くて早いフラットボールは、ナダルには1番都合がいい。だからミスショットか意図したものか、一見しただけでは判らないようなボールがナダルには有効になる。高さやスピードがあいまいで、中途半端なボールを意識的に混ぜることでナダルを混乱させるのだ。フィッシュのようにあまりメリハリをつけないテニスの方がかえって有効かも知れない。
3、ナダルのテニスパターンは以外に単純?そして答え カウンタープレイヤーのテニスはざっくりいえば2パターンだ。フェデラーのようなウィナーを取りにくる攻撃型の相手の時は、受けに回って攻撃を切り返すのを狙うのが主で、反対にあまりウィナーを取りにこない相手には自分から攻撃して相手を振り回すのが普通である。ただ、相手の攻撃を凌いで切り返すのは世界一のナダルでも、自分から攻める場合はどうだろうか?彼が試合中、ずっと攻めっ放しという光景は見たことがない。きっと彼自身も違和感を感じているはずだ。そこでナダルにワザと攻撃させて逆にカウンターで切り返しても面白いのだが、それを実行するスキルと勇気のあるプレイヤーはいないようだ。またカウンタープレイヤーが1番恐れるのは自分と同じように凡ミスをせず、ボールをコート内に入れにくるミスの少ないプレイヤーだが、それだけでは試合が長びくだけで勝つには至らない。凡ミスを避ける事に意識的で、かつサーブでエースが何本も取れ、効果的なアングルショットやウィナーがいつでも打てるのがナダル攻略の最低条件だ。そしてプレイに適度なブレがある方がいい。プレーぶりがたまたまいいのか、実力なのかナダルにも分からないぐらいなら勝つ可能性も大きい。そして勝利を決定づける、ナダルがすぐには対応できない切り札的な戦術が少なくても1つか2つは絶対に必要だ。
ウインブルドンのドロー表を見て気になったのはヒューイットとロソルだ。特に「ナダル対ヒューイット」の新旧カウンターテニス対決は見てみたい。それにフェデラーのリベンジは永遠に見られないのだろうか。
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