2013年02月14日
腐ったオリンピック2
レスリングがオリンピックの正式種目から外されそうだと大騒ぎしているが、ワタシは全然驚かない。腐ったオリンピック(というかIOC)には必要とされる理由がないからだ。彼らが求めるのは金になり(放映権が多くの国で売れる)、有名スター選手がたくさんいて(話題になる)、なおかつ見栄えのする競技だけだ。床に何分間も這いつくばっている地味な競技など全く問題外である。昔からの伝統があるかないかなどは一切関係がなく、体操が落選リストに入らないのは(アクロバティックな技の数々が)見栄えがするからの一点だけだ。現在のIOCの目標は五輪の脱アマチュア化に違いない。アマチュアの為に始めた五輪も金にならない事が分かると、急速に商業主義に染まっていった。テレビ受けしない競技、地味で人気のない競技、プロ化していない競技はこれからもどんどん切り捨てられる。まず、お金になるかどうかが判断基準なのだからそれも当然と言えるだろう。わざわざ五輪に入れる必要もないゴルフを正式競技にしたのも、タイガー・ウッズやフィル・ミケルソンなどのビッグネームにアメリカ代表の名目で出場してもらい、イヤと言うほど放映権を売って大儲けする魂胆なのだ。こんな五輪に本当の権威などあるはずもない。そんなものはとっくの昔に捨てたのである。
オリンピックが人気イベントになったのは、米ソ冷戦時代に東側と西側の選手の直接対決が見られる唯一の場だったからだ。やりたくてもできない核戦争の代わりにスポーツ戦争をそれこそ超真剣にやっていたのだ。しかし、そんな東西緊張も過去のものになり五輪自体の存続も危うくなった。人気を保つのに企業スポンサーとプロ選手の手を借りなければやっていけないのなら、もう五輪は元どおりにはならない。沢山の選手がそれぞれの理由で金メダルを追い求めるが、それは「きん」ではなくまさに「カネ」メダルである。スポーツ選手としての頂点を極めた記しとして貰うに値するものではなくなったと個人的には思う。もはや大昔の理想からかけ離れ、金儲けの為だけにある「不名誉な大会」をこの先いつまで続けるのだろうか。
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