2012年09月08日
「天国の門」再び
テニスやスポーツのネタはあらかた書いてしまったので、今回のテーマは映画ソフトにした。アメリカの「クライタリオン・コレクション」という会社からあの問題作がブルーレイ(2枚組・40ドル)で発売予定(11月20日)らしい。マイケル・チミノ監督作品では最も有名な「ディア・ハンター」(78年)の次に撮った超大作「天国の門」(80年)である。残念ながら、オリジナル5時間半バージョンではなく、日本でもDVDが発売されている3時間39分バージョン(クライタリオンのサイトでは3時間36分表記なのがよくわからないが)なので、(日本語字幕も無いし)それじゃあ買う必要がないとも思ったが、クライタリオンは画質やその他のクオリティにこだわる有名メーカーだし、すぐに日本版も発売されるという確信もないので、やっぱり個人的には買うつもりだ。「ディア・ハンター」のアカデミー作品賞受賞で一躍時の人になったチミノが、この作品の興行的大失敗で製作会社のユナイト(ユナイテッド・アーティスツ)を潰したのは有名な話である。作品の背景や内容などは検索すればすぐに分かるので書かないが、制作費4400万ドルは(「タイタニック」の2億ドルに比べれば)大した金額ではないと言われそうだが、当時としては常識はずれのレベルだったと想像できる。(いろいろな意味で)ものすごい映画なのは一目瞭然で、この後の「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」(85年)までがマイ・フェイバリットだが、もうチミノは映画を撮らないのだろうか?確かにどの監督にも賞味期限みたいなものがあって、ある時期を過ぎるととたんにつまらなくなる傾向があるみたいだ。私が1番好きだったSF・ホラーの鬼才ジョン・カーペンターも面白かったのは「ゼイ・リブ」(88年)までで、90年代以降の作品は全然ダメである。ある監督作品が好きになったからといって、DVDやブルーレイソフトをコンプリートしよう、などとは思わない事だ。とにかく1度レンタルか、テレビ放映を見てから買ったほうがいい。テニスプレイヤーと同じく人は誰もが歳をとるのだ。輝かしいキャリアなんてほんの一瞬に過ぎない。自分の感性にピンと来た作品だけ揃えたら、それだけで十分である。
今年一番のイベントは11月にある「ATPファイナル」と「天国の門」のBD発売になりそうだ。人間にとっての幸せは遠くではなく、ほんのすぐ近くにあるというのはどうやら本当らしい。
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