2013年01月28日
キング・オブ・スポーツ
全豪が終わった。シングルスの男女共に昨年のチャンピオンがタイトルを防衛する順当な結果だったが、1番印象に残ったのはバブリンカ対ジョコビッチの5時間マッチだ。個人的には最終セットでタイブレークなしのルールは大嫌いだし、改正するべきだとも思っている。しかし、このオールドスタイルの完全決着ルールがあるおかげで(その昔)テニスがキング・オブ・スポーツと呼ばれ、人々から賞賛され続けてきた事実も否定できない。確かに俗に言うマラソンマッチはテニスの面白さを伝える上で最も適したサンプルと言えるだろう。個人対個人が4時間、あるいは5時間強という気の遠くなるような時間を戦い続けるだけでも驚きだが、その過程はまさしく優秀なドラマそのものであり、ポイントごとに一喜一憂を繰り返した果ての感動のハッピーエンドや、時にはショッキングなフィナーレへと見ている我々をも導いてくれる。そう、オーバーに言えばテニスの試合を通して人生を垣間見るのだ。ロングマッチを何回も見れば、なぜテニスがキング・オブ・スポーツなのかはすぐにわかるはずだ。心の占有率がダントツに高いからである。80年代の「ボルグ対マッケンロー」や近年の「フェデラー対ナダル」などの名勝負はあまりにドラマチックな為になかなか人々の記憶から消え去ることはない。個人での試合の録画が容易になった現代ならなおさらである。この国のタダテレビがテニスを締め出したのも、このスポーツが持つ本当の恐ろしさ(=素晴らしさ)と多大な影響力を裏では理解しているからかも知れない。それとも個人のみが称えられるスポーツを毛嫌いしているだけなのだろうか?
今回は初日こそWOWOWを見たが、後はユーロスポーツのストリーミング放送のお世話になった。ワタシ的には後者のほうが内容は格段に面白かった。明らかに非合法なサービスなのは認めるが、全てのテニスファンが見たいと思う4大大会を見られるのなら、そういう選択肢があってもいいと思う。何も見られないよりは随分マシだし、何よりテニスを無視するような酷い人間にはならずにすむのが幸いだ。
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