2012年08月22日
フロム・ビヨンド
「ビヨンド」は向こう側の意味だ。向こう側からやって来るのだ。何がやって来るのかと言えば、もちろんゾンビではない。いわずと知れた「全米オープン」である。アメリカのフラッシング・メドーから複数の衛星を経由して今年最後のグランドスラム大会が日本の各家庭のパラボラまでやって来る。中でも一番のお楽しみはナイトセッションだろう。朝8時からテニスのライブが見られるのは幸せである。会社や学校やその他の理由でリアルタイムで見られなくても、レコーダーが1台あれば問題ない。幸せな理由は1つ、「ありふれた日常からの逸脱」だと思う。スポーツ中継の醍醐味は「時間の感覚を忘れる程にそれに没頭すること」にある。いつもなら見飽きたワイド番組しかない時間帯にドドーンとテニスのライブ中継が割って入ってくるのだ。有料のWOWOWをどの位のテニスファンが見ているのかは知らないが、この国のテレビではもはやタブーなことに違いない。「ふふふ、テニスの4大大会も見ないなんてバカですねー。」きっと内心でそう思っているテニスファンも少なくないはずだ。もうこの国のタダテレビには何も期待できない。テニス中継を見る事はいつの間にかマイノリティの「秘められた楽しみ」に変わってしまった。この傾向はしばらくは変わりそうに無い。テニスのメジャー化うんぬんの話はひとまず置いておいて、まずは試合を見よう。自分がテニスを好きなのかが確認できればいい。この国での認知度なんてすっかり忘れることだ。
「貴方はテニスファンですか?」そう聞かれた時に躊躇無く自信をもってこう答えるのだ。「当たり前じゃないですか。テニスより面白くて素晴らしいスポーツなんて他にありませんよ。」ああ、すべてのテニスファンが幸せと思える世の中にきっとなりますように。
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